壁式構造の共同住宅の改装プロジェクトです。もともと広めの間取りと第一種低層住居専用地域の三階という恵まれた環境の一方で、壁をほとんど変更出来ないという難点もありました。
そこで私たちは、壁以外の要素を入念に調整することで、もともとある壁を活かしながら、広がりのある空間となるよう考えました。北側に配置された長い廊下とそこからアクセスする部屋によって成立している構成をそのままに、各部屋の一面を印象的な仕上とし、キッチンや飾り棚、カウンターをレイヤ状に配置しています。リビングではこれらが重なった状態で見え、とてもダイナミックな空間になっています。
仕上はコンクリート普通型枠打放し、モルタル金ゴテ、パテ扱きの上クリア塗装、ラーチ合板の四種を使っています。普通型枠打放しは古い躯体、ラーチ合板は新設ですが、モルタルとパテ扱きは壁紙を剥いで現れたモルタル+パテ扱きに、上塗りをしたものです。古い要素でありながら新しい、中間的な存在を多用することで、古い建物なのに新しいものと良く調和し、新しい要素があるのに年月を重ねた良さを残した、不思議な内装となっています。
※成瀬・猪熊建築設計事務所と共同設計
Year
: 2011
Main Use
: Private Residence
Location
: Setagaya-ku Tokyo
Structure
: Reinfoced Concrete
Size
: 3F / 3 Stories
Total Floor Area
: 95.55 m2
Builder
: Fukazawa Komuten
Photos
: Masao Nishikawa Photography Studio
苅部寛子建築設計事務所
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